ではでは、明日から…

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カット革のお値段が高くなる理由

今回の記事内では牛さんをメインとして大雑把な話となります。そして「皮」と「革」は区別しています。「皮」は「革」になる前の生々しいやつです(笑)

 

革の販売単位の基本は「半裁」です。もっと言えば「タンナーが販売店に売った革の大きさそのままの1枚」が消費者への販売単位です。ただし革はそもそも牛さんの皮でした。大きい牛さんもいれば小さい牛さんもいます。なのでその1枚がどのくらいの大きさなのかわかりやすいように「ds(デシ)」という単位があります。1dsは10cm四方です。

 

↑↑↑これ大前提条件です↑↑↑

 

さて本題の前に…革って個人消費者向けではなくメーカー向けに販売されていたんじゃないかと思います。半裁革を広げるとそれだけで敷物ってくらいの大きさがあります。個人が趣味で簡単に使い切れる大きさではないですよね。勿論、カバンなどを作る人もいるかと思いますが、最初から半裁革を買うことはまず無いと思います。

 

というわけで本題です。

 

半裁革は良質な部分も悪い部分も含めて1枚であり、悪い部分もお値段に含まれています。牛さんは生き物なので、虫さされ、傷、かさぶたなどなどを含めて一生消えない傷もあります。これっぽっちも傷などのない牛さんはいないと思います。

 

さらに皮は食肉産業の余り物です。ビーフにならなければ皮自体が生産されません。皮は無限ではなく有限なんです。無駄にできる皮なんてないのに革になれない皮もたくさんあります。そしてタンナーは巨大な機材を使い、水などを含め超大量の資材を使って皮を革にします。ご家庭に置けるような大きさではないんです。そして皮を革にする高度な技術も含まれるから革はそもそも高いんです。

 

大前提条件の「半裁売り」が基本なので、カット革で販売するとそれはもう半裁ではなくなってしまいます。食べかけのステーキをわざわざ買うお客さんはいないと思います。特にメーカーであればなおのことだと思います。メーカーは生活に必要な革を使用した大物(家具、カバン、靴、車のシートなどなど)を作るから革をたくさん買います。革は大きければ大きいほど良く、小さくて良いことなんてひとつもありません。また虫さされ痕の残ってる革製ソファなんて無いですよね?少なからず目に見えるところには綺麗な部分の革しか使っていないんです。なのでメーカーはたくさん革を買います。

 

言い方が悪いけれど個人向けにカット革を売るより、メーカーに半裁を丸ごと何十枚何百枚と買ってもらった方がお金になります。お金にならない仕事もしくは技術と環境継承が出来ない産業は衰退して倒産もしくは廃業してしまいす。ただでさえ数少ない日本国内のタンナーは減少していく一方です。栃木レザー、姫路レザーは聞いたことがあるでしょうけど、レザークラフターが10人にいたとして全員が前述以外の地名のついた国産レザーを挙げることができるでしょうか?オレはあと2つくらいしか思い浮かばないです。

 

半裁革を可能な限りカット革にしても、半裁革は長方形ではないので必ず余りが出ます。販売店はその余った革にも仕入れ代金を払っているのに、余った革は売れないんです。売れない革はタダの赤字です。またカット革自体が余れば在庫となり、品質を保つために維持費用がかかり保管場所も必要となります。いつ売り切れるかわからないカット革より1クリックで売れる半裁革の方が販売店も良いに決まっているじゃないですか。

 

なのでカット革は高いんです。リスクマネージメントの観点で言えば、販売店側からするとカット革は安過ぎる提供かもしれません。もし最初にバカ売れしても、ある日突然パタリと売れなくなるかもしれないですしね。

 

また、カット革は上記の内容から必ずしも良質な部分ではありません。端から可能な限り枚数が取れるようにカットしていくのでハズレも十分に考えられます。但し四角くカットされているので半裁革の外側のうねうねした使えない部分が提供されることもありません。

 

売店側も革はこういう物だともっと主張すれば良いと思います。そういう意味ではフェニックスさんはカット革のページにしっかり「当たり」「ハズレ」と記載した説明文がありますので読んでみてください。ついでに買ってあげてください(笑)

 

l-phoenix.shop-pro.jp

 

てゆーか長いなぁ…今回は。字面だけ並べやがって誰が読むかってゆーの。ここまで読んでくれた皆様ありがとうございました。また知識として間違いがあれば正しい情報をコメントしてもらえると嬉しいです。

 

さて…

 

余談ですが、五助屋さんが「ビニールでも縫ってろ」と大先輩に言われたことがあると仰っていましたが…ビニールも劣化します。オレは、触るとパリパリに砕けるビニールを手に取ったことがあります。掃除が超大変でした(笑)