ではでは、明日から…

震えるぞお腹!燃え尽きるほど中性脂肪!!刻むぞ三段腹のビート!メタボリックシンドロームオーバードライブ!!

【回想録】床屋と友人とオレ

あれは20歳の頃でした。何を思い立ったか、突然…


ハゲ』にしたくなりました(´▽`)ノ


思い立ったが吉日とはこの事。バリカンでグワーッと刈って、カミ剃りでシャーシャーやるだけだから2000円の店でOK!即床屋にGO!

 

やはり休みの日の床屋は込み合っています。どこをどう処理するのか不明なツルピカのおじいちゃんから、お母さんに連れられた子供までいて賑わっています。入店直後に番号札を渡されて順番待ちするシステムは変わらずでした。余談だけど、ポイントカードを発行し始めていた。ところが今回はカードの発行だけでスタンプは次回から1つ目を押しますよ…って、そんなポイントカードは聞いた事がなかった。

 

話は元に戻して、混み合ってる割には意外と早く順番がやってきました。多分、ツルピカのおじいちゃんが時間短縮に協力してくれたに違いない…と思っておこう。やはり帰り際もツルピカなおじいちゃんでした。

 

いざシートに着いて…

 

店員「今日はどうしますか?」
オレ「ハゲでお願いします(キリッ)」
店員「(数秒沈黙後に)ハゲ?(-_-;)」
オレ「はい、ハゲでお願いします。あ…カミソリで剃ると切れちゃいますか?」
店員「…う~ん、少しは切れちゃうかもね…」
オレ「切れると痛いから…バリカンの限界までお願いします(キリッ)」
店員「(またも数秒沈黙後に)全部バリカンでいいの?」
オレ「はい、ビシッとやってください!(キリッ)」

 

もうこの時点で本日ナンバーワンの最悪な客でしょうね。店員の沈黙が全てを語っていましたわ。「ハゲにして欲しい」とか「バリカンの限界まで」なんて学生以外では考えられなかったんだろうね。挙げ句の果てには「ビシッとやってください」ときたもんだ。

 

店員はバリカンの準備が終わるまでのひとつひとつの動作ごとに「本当にいいの?」と聞いてきました。多分10回くらい聞かれたと思います。都度「はい、よろしく!」と答えるオレの方は笑いが止まらなくなりそうでしたよ。

 

さて、いよいよ『バリカンで一頭刈りショー』のはじまりはじまり。みるみるうちに髪の毛がなくなっていきました。またこの店員が真ん中から刈り始めるものだから、見てるこっちは笑いそうになってしまったよ。多分、端から見てても面白かったんじゃないかな?

 

バリカンの限界までやった後は頭の形に産毛が生えているようなどこかのマンガに出てきそうな頭の出来上がりです。シャンプー、リンス、トニック、ドライヤー(必要あったのか?)を終えて、お金を払って退店しました…というよりは出陣となりました。

 

家から帽子を持ってくるのを忘れたけど、まぁ、歩き慣れた地元だし「いっか」と思っていたのは甘かった。


『ザックザク視線が突き刺さる』


言い換えれば


『街中が俺に釘付け』


スキンヘッドのアイドルはこの日本には存在しない。単なるハゲが街を練り歩いているだけなのに。セブンセンシズに目覚めたんじゃね?ってくらいに周囲のモロに見ない視線を感じたのはこの世に生を受けて初めての体験でした。

 

もちろん帰宅後には母親にも大爆笑されました。日頃「もうちょっと短い方がいいんじゃない?」と、散髪から帰る度に言っていた母親でさえも。

 

その後に用事があったので友人宅に向かいました。マンションの最上階に住んでるんですよね。集合住宅となるマンションですれ違う住人、エレベーターに一緒に乗る住人、ありとあらゆる住人の視線はモロでした。よく不審人物で通報されなかったと思います。でもまぁ、普通に歩いて普通にエレベーターに乗っているだけだから、逆に通報された方がもう少しネタが出来たのかな?

 

そして友人宅の玄関前に着いて「ピンポーン」とインターホンを鳴らして、出てきたのは友人の弟でした。当然顔見知りなので…

 

弟「(扉を少し開けて)どちらさまですか?」
オレ「あぁ、オレ。お兄ちゃんいる?」
弟「ちょっとお待ちください…」

 

…とドアを少し開けたまま、友人を呼びに言ってくれたようでした。ただなんとなく他人行儀だったような気もするけど間違いではなかった。

 

弟「お兄ちゃん、ヤクザみたいな人が来た!」

 

ヲイマテコラ。頭丸めただけでヤクザみたいな人扱いですか。あ…街中やマンションですれ違う住人の視線は『ヤクザみたいな人』だったのかな?

 

さすがの友人もビビったらしくて、ドアの穴も覗かずに…

 

友人「……(小声で)どちらさまですか…?」
オレ「オレだよ、オレ!」
友人「(声で誰かわかったらしく)なぁんだよっ!弟がヤクザみたいな人なんて言うからマヂビビってたわ(笑)」

 

…なんて、やりとりをしていると、奥から友人の母親にも大爆笑されました。

 

当時は車の免許を取ったばかりでドライブに行く事が多く、写真もいっぱい撮りました。今はもう無くなってしまったけれど、オレが革ジャンを着てタバコを加えている姿の写真は確かにガラが悪かったわ。

 

嗚呼、懐かしい思い出ですこと。